売れないのに指名されるマネキンさん
私のいた職場にAさんとスタッフの方がおられました。
とても感じの良い方で、小柄な身体つきからは想像もできないガッツのある方で、どんな仕事もたいていは嫌がらずに引き受けてくれる、素敵な販売スタッフさんでした。
しかし、その方は芯は強いけれども、どこか引いてしまわれる性格で、「ガンガン前に出て売る」というタイプの販売員さんではありません。
そのせいかキャリアが同じくらいの販売スタッフさんと比べると少し(本当に少しですが…)売上の数値が弱いのです。(と言っても昨日今日始めた方の売上ではもちろんありませんが)
販売業者さんが「売れる販売スタッフ」をとオーダーしてきますから、売上が伸び悩むマネキンさんは、どうしても仕事を割り当てる優先度が低くなっていきます。
しかし…
百貨店には、年に何回かレギュラー的に同じ業者さんが来られます。そんな販売業者さんが、なぜか彼女を指名するのです。販売業者が販売業者を紹介して指名が増える。また百貨店の売場の担当さんからも指名が入る。年間の指名の数だけで行くと、他にガンガン売上を上げるスーパーマネキンさんよりも指名が多い。
最初のころ私は、単純にAさんの人柄や性格が業者さんに愛されているんだろうなと考えていました。
でも、そんな単純な事ではなかったのです…。
ガンガン売るのに指名されないマネキンさん
また、キャリアは少ないけれども非常に販売スキルのあるBさんという販売スタッフがいて、ガッツもあることから優先的に販売業者からの依頼をふっていました。
最初の頃は指名もついて、今でも指名を頂く販売業者には仕事に入るのですが、販売に慣れてきた頃から「新規の販売業者」からの指名がだんだんと減ってきました。
仕事の割り振りを考える立場の身でいうと、販売員に対するお客様の評価は気になります。
頑張りたいスタッフには稼いでほしいけれども、本人が気付いていない何かがあるとすると、そのスタッフの為にも会社の為にもなりません。
業者や売場の担当さんにも色々伺ってみますが、なにか要領を得ません。業者が満足する売り上げは上げているはずなのに、どうして指名がつかないんだろう…。販売スタッフも販売業者も「感情のある人」ですから、たまたま相性が悪かったんだろう…そう自分に言い聞かせてました。
アンチファンを増やしていませんか?
二人の販売スタッフの話をしましたが、ずいぶん経って色々と考えてみたら、何となく分かってきました。
売上 = 平均客単価 × 客 数
= 平均客単価 ×( 新 規 客 + リピーター)
= 平均客単価 ×((飛び込み新規客 + 口コミ客)+ リピーター)
つまり
客数 = 新規客 + リピーター(既存客)
新規客 = 飛び込み新規客 + 口コミ客(既存客からの)
上にあるように、お客様は、新規客とリピーター(既存客)から構成されます。
さらに、
新規のお客様は飛び込みで来る全く新規のお客様と、リピーターである既存客から口コミで来るお客様で構成されます。
そう回を重ねて販売に来る業者にとって、大切なのは「その週の売上」だけではないのです。
もちろん赤字で帰りたい販売者なんていませんから売上は大事です。
しかし、もし入った販売員がいくらその時売り上げたとしても…、もし「アンチファンを増やす接客」だったとしたら…。
本当に売り上げを意識している販売業者さんは、その怖さをちゃんと知っているんですね。
つまり、リピーターを無くす接客を続けていたら、新規の客も減っていくわけです。
逆にリピーターを増やす接客をしていたら、徐々にかもしれませんが新規客も増えていくはずです。
つまり、前出のAさん、Bさんの二人は、知らず知らずにファンを「増やす接客」と「減らす接客」をしていたのです。
販売者にとっては「瞬間(1週間)の売上」も大切だけど、本当に大切なことは「目先の売上」よりも「長期的な売上」つまり、商品の、お店の、販売員のファンを増やしていくことに主眼を置いているのだと分かりました。
Bさんも決して人柄が悪いわけではありません。ううん、むしろ仕事も誰より真面目ですし笑顔も素敵です。販売に対する情熱も誰より持っています。
ですが、Ⅱ章の「接客と接遇」で述べたように、
ほんの僅かな心の油断が、自分の気付かないうちにお客様や業者を不快にさせたり、お客様が離れた瞬間に笑顔が途絶えて不機嫌そうになっていたり…。
そんな事があると、それはお客様も業者さんも必ず気づきます。おそらく悪気の無い本人は気付きにくく悪循環にはまっていくのだと思います。
これは、販売のテクニックではありません。
貴方が販売について一生懸命学び、販売のスキルが上がったとしても、そしてその瞬間にどんなに売上を上げれたとしても、アンチファンを増やす「売り方」だと、貴方の仕事はだんだんなくなります。
買っていただくお客様に感謝し、仕事を頂いている販売業者や店舗(百貨店やモールなど)に感謝しての心が販売員の笑顔を生むのだと思います。
また心からの笑顔がお客様の笑顔をうみ、売上の好循環につながるように思います。
(ここで言う口コミ客は、紹介されるされないだけの意味ではなく、例えば新規のお客が他のお客様に対する接客を見て、新たにファンになるというようなことも含みます。)
私のいた職場にAさんとスタッフの方がおられました。
とても感じの良い方で、小柄な身体つきからは想像もできないガッツのある方で、どんな仕事もたいていは嫌がらずに引き受けてくれる、素敵な販売スタッフさんでした。
しかし、その方は芯は強いけれども、どこか引いてしまわれる性格で、「ガンガン前に出て売る」というタイプの販売員さんではありません。
そのせいかキャリアが同じくらいの販売スタッフさんと比べると少し(本当に少しですが…)売上の数値が弱いのです。(と言っても昨日今日始めた方の売上ではもちろんありませんが)
販売業者さんが「売れる販売スタッフ」をとオーダーしてきますから、売上が伸び悩むマネキンさんは、どうしても仕事を割り当てる優先度が低くなっていきます。
しかし…
百貨店には、年に何回かレギュラー的に同じ業者さんが来られます。そんな販売業者さんが、なぜか彼女を指名するのです。販売業者が販売業者を紹介して指名が増える。また百貨店の売場の担当さんからも指名が入る。年間の指名の数だけで行くと、他にガンガン売上を上げるスーパーマネキンさんよりも指名が多い。
最初のころ私は、単純にAさんの人柄や性格が業者さんに愛されているんだろうなと考えていました。
でも、そんな単純な事ではなかったのです…。
ガンガン売るのに指名されないマネキンさん
また、キャリアは少ないけれども非常に販売スキルのあるBさんという販売スタッフがいて、ガッツもあることから優先的に販売業者からの依頼をふっていました。
最初の頃は指名もついて、今でも指名を頂く販売業者には仕事に入るのですが、販売に慣れてきた頃から「新規の販売業者」からの指名がだんだんと減ってきました。
仕事の割り振りを考える立場の身でいうと、販売員に対するお客様の評価は気になります。
頑張りたいスタッフには稼いでほしいけれども、本人が気付いていない何かがあるとすると、そのスタッフの為にも会社の為にもなりません。
業者や売場の担当さんにも色々伺ってみますが、なにか要領を得ません。業者が満足する売り上げは上げているはずなのに、どうして指名がつかないんだろう…。販売スタッフも販売業者も「感情のある人」ですから、たまたま相性が悪かったんだろう…そう自分に言い聞かせてました。
アンチファンを増やしていませんか?
二人の販売スタッフの話をしましたが、ずいぶん経って色々と考えてみたら、何となく分かってきました。
売上 = 平均客単価 × 客 数
= 平均客単価 ×( 新 規 客 + リピーター)
= 平均客単価 ×((飛び込み新規客 + 口コミ客)+ リピーター)
つまり
客数 = 新規客 + リピーター(既存客)
新規客 = 飛び込み新規客 + 口コミ客(既存客からの)
上にあるように、お客様は、新規客とリピーター(既存客)から構成されます。
さらに、
新規のお客様は飛び込みで来る全く新規のお客様と、リピーターである既存客から口コミで来るお客様で構成されます。
そう回を重ねて販売に来る業者にとって、大切なのは「その週の売上」だけではないのです。
もちろん赤字で帰りたい販売者なんていませんから売上は大事です。
しかし、もし入った販売員がいくらその時売り上げたとしても…、もし「アンチファンを増やす接客」だったとしたら…。
本当に売り上げを意識している販売業者さんは、その怖さをちゃんと知っているんですね。
つまり、リピーターを無くす接客を続けていたら、新規の客も減っていくわけです。
逆にリピーターを増やす接客をしていたら、徐々にかもしれませんが新規客も増えていくはずです。
つまり、前出のAさん、Bさんの二人は、知らず知らずにファンを「増やす接客」と「減らす接客」をしていたのです。
販売者にとっては「瞬間(1週間)の売上」も大切だけど、本当に大切なことは「目先の売上」よりも「長期的な売上」つまり、商品の、お店の、販売員のファンを増やしていくことに主眼を置いているのだと分かりました。
Bさんも決して人柄が悪いわけではありません。ううん、むしろ仕事も誰より真面目ですし笑顔も素敵です。販売に対する情熱も誰より持っています。
ですが、Ⅱ章の「接客と接遇」で述べたように、
ほんの僅かな心の油断が、自分の気付かないうちにお客様や業者を不快にさせたり、お客様が離れた瞬間に笑顔が途絶えて不機嫌そうになっていたり…。
そんな事があると、それはお客様も業者さんも必ず気づきます。おそらく悪気の無い本人は気付きにくく悪循環にはまっていくのだと思います。
これは、販売のテクニックではありません。
貴方が販売について一生懸命学び、販売のスキルが上がったとしても、そしてその瞬間にどんなに売上を上げれたとしても、アンチファンを増やす「売り方」だと、貴方の仕事はだんだんなくなります。
買っていただくお客様に感謝し、仕事を頂いている販売業者や店舗(百貨店やモールなど)に感謝しての心が販売員の笑顔を生むのだと思います。
また心からの笑顔がお客様の笑顔をうみ、売上の好循環につながるように思います。
(ここで言う口コミ客は、紹介されるされないだけの意味ではなく、例えば新規のお客が他のお客様に対する接客を見て、新たにファンになるというようなことも含みます。)
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