食べれます
とある物産展でレギュラーの販売スタッフが入った業者さんは、「海鮮珍味」の販売業者さんでした。そのスタッフが子供さんの学校行事で日曜日に休まないといけなくなり、日曜日だけ代わりに入れるスタッフを探したことがあります。
この「海鮮珍味」や「塩干(えんかん)」という商材はあれやこれや試食を出して客寄せして、いち早く購入してくれるお客様の見当をつけ、更に複数の商品を積み上げて単価を上げるという、少々難度が高めの商材です。また、この業者さんからは、「量り売り」と「海鮮珍味の販売」の経験がある人をと言われていました。
一日だけ入(はい)れるスタッフを探すのは結構難しいのです。
しかも客入りの多い日曜日。販売経験の浅いスタッフを入れると、たちまちクレームの可能性があります。しかも売れる販売スタッフのレギュラー陣は、既にその物産展の違う業者についています。
困りました…。量り売りも、海鮮珍味の販売も経験している人がいないのです。
そして最近の応募者の中で、新規スタッフのWさんに目をつけました。
実は彼女は、私が家電量販店で販売をしていた頃の友人の知り合いで、その仕事ぶりを友人から聞いていたのでした。「携帯電話での販売で、売りたくもない機種を売らないといけないのでブルーになる時がある」といったような話だったかと思います。売場での彼女の姿も1、2度見たことがありました。優秀な販売スタッフでした。
しかし食品の販売に関していえば、彼女は1週間前に和菓子の試食販売を経験したのみです。量り売りももちろん経験がありません。しかし私には「彼女なら必ず業者を満足させる」という確信がありました。
私が彼女に依頼したことは、
「2~3種類の商品の売り方を業者に聞いて重点的に販売してほしい、そして携帯電話より売り方は簡単だから楽しんで売ってほしい…」という事でした。
彼女は1週間前のお菓子の試食販売で、私が伝えた食品の販売の要点は抑えてくれていて、声がけから始まるAIDMAは当たり前のようにこなして実績を上げてくれていました。携帯の販売で声出しは要りませんが、お菓子の販売ではちゃんと声がけもしてくれていました。
携帯電話の販売は、それぞれの機種についての詳しい知識が要ります。だから彼女は商品知識を憶えておかないといけないことを理解してくれています。またいろいろな知識の中で何をお客様に伝えないといけないかの優先順位を理解しているはずです。
携帯電話も海鮮珍味も売場には十数種類の商品がありますが、メーカー(通信キャリア)も物産展の販売業者も「売りたい(売れる)」商品は2~3種類のはずです(パレートの法則)。そして、彼女は携帯の販売でメーカーや量販店が売りたい機種への誘導を経験しています。私は「2~3種類の売りが立つ商品」の販売ノウハウを業者に聞いて重点的にお薦めしてくださいと伝えてました。
もちろん、私の指示よりも彼女の販売センスが高かったからかもしれませんが、
最終日、その業者さんは私にこう言いました。「ずっと入ったマネキンも悪くなかったけど、日曜日に入った子は、もう少し慣れたら最高のマネキンになるよ。」
お叱りをうけずに、やれやれです。御結婚で他県に行かれたので、もう仕事には入って頂けませんが、Wさん本当に有難うございました、助かりました。
やはり、プロ意識で販売を経験している販売員さんは、販売商品が変わろうと「販売ノウハウの何が一緒で、違う所では何を気を付けなければいけないか」を伝えると、ちゃんと実績が出せるものです。
物産展に限らず百貨店に入る業者さんは、プロの販売員(プロマネキン)を依頼されます。レギュラーのマネキンさんを始め職業意識、プロ意識を持ったマネキンさんを優先にアサインしていくのですが、物産展が重なる時期になるとどうしてもプロパーのプロマネキンさんだけでは回らなくなり、仕方がなく新規の求職者の方の中からアサインをかける場合が出てきます。経験者であれば良いのですが、未経験の方の場合もあります。
そんな時は、
職業人意識、プロ意識で仕事が出来る人(商売人の気持ちがわかる人)
を面接で選考させて頂いて、更に
販売の基礎(AIDMA、声がけのしかた、客数の増やし方、客単価の増やし方、売れ筋商品の販売方法など)
を伝達して、それが出来そうな 「笑顔が素敵で気が利きそうな方」 をアサインするようにしていました。学生さんの中にもそんな方はおられますし、「皆がやっているけどやり方を間違えている声がけの方法」などをお教えすると、未経験者の方でも、一発目の仕事で指名を頂ける販売員(マネキン)もおられました(笑)。
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